【order】受け継がれたクラシカルドレス
Bonjour ! Carlier Couture です。
あまり更新していなかった期間中も、diaryを見て頂いたり、
instagramでいつもいいね！して下さり、ありがとうございます。
さて、instagramでもお知らせさせて頂いていた通り、
１１月から諸事情により少し長めの休暇に入らせて頂きます。
お問い合わせ頂いたお客様、お待ち頂いた花嫁さまには申し訳ないのですが、
何卒宜しくお願い致します。
本格復帰の際は、ハッピーなニュースをお届けできるよう、
頑張っていきたいと思います！
それまでの間ですが、ずっと溜めに溜め込んできた書きかけのdiaryを
ひとつひとつアップさせて頂こうと思っています。
わたしにとってもこのdiaryは、もちろん
これからドレスを探される花嫁さまたちの参考になれば、
という面もありますが、
正直なところ、ご依頼下さった花嫁さまとの製作風景を
日記のように記録に残したい、という気持ちが強いです。
花嫁さまのお式が無事に執り行われたのち、あるいは数年後に、
あの時こうだったなぁ、と、いつでも振り返れる場所にしたいと思って、
書かせて頂いております。
そのような理由で、製作中、製作直後に走り書きのように、
断片的に記してきた文章を、これから清書し、
公開していけたらと思っております。
（お式の日程と、upの時期が前後している場合が多々あり、
申し訳ございませんが、ご了承頂ければ幸いです。）
前置きがいつものように長いのですが、
本日のdiaryは春にお式を挙げられた花嫁さまのストーリー。
初めてお会いした際には、ドレスの雰囲気やアイテムなど、
おおまかなイメージは決められていました。
とはいえ、メインは和装で行う神前式、ということで、
洋装の方に関しては、まだご検討中でした。
お話していく中で、お母様が◯◯年前！
に着られたウェディングドレスが
きちんと保管されていることが分かりました。
花嫁さまがイメージされているスタイルに、
こちらのドレスを使用させて頂くことはできないか？
というご提案をさせていただきました。
そして後日、花嫁さまはお母様、そして妹さま方にご相談された上で、
お母様のドレスをアレンジする形で進めていきたいというご連絡を頂きました！
一度ドレスのお写真を送って下さることになり、
こちらでも何ができるか、ご提案させていただきました。
ここから本格的に、お母様のドレスを受け継ぐための計画が始まったのです…♡
そして初回のお打ち合わせの際に、実物を拝見させて頂くことに。
こちらが想い出の詰まったドレスです！
ボリュームのあるマトンスリーブ、衿元とVにカットされたウエストのフリル、
そしてバックスタイルの大きなボウが特徴です。
スタイル自体は当時の雰囲気、流行を反映させたものですが、
でも、状態がものすごく良いんです！
シルバーのジャガード織りの生地は、繊細な花々を描いており、
写真ではなかなか見えにくいのですが、ラメ糸が入っているので、
上品に光っている、とっても素敵な生地なのです。
ホワイトが主流のウェディングドレスですが、
このような銀色のドレスも美しい！
これは何としてでも、新婦さま用に生まれ変わらせたい！
そう思った次第です。
そして具体的なデザイン出しが始まります。
当初から花嫁さまのご希望であった、長袖のレースブラウスを合わせることと、
生地感と、今でも充分素敵に着こなして頂けるスカート部分を活かした、
シンプルなビスチェスタイルを採用させていただくことに。
そして作業は進み、完成したのがこちら。
まずはビスチェ部分をチラリ♡
もうこの時点ですでに別のドレスのように生まれ変わりました。
よりいっそうクラシカルな雰囲気を出してくれるカマーベルトは、
後ろのリボンを解いて作らせて頂きました。
その際にこだわったのは、後ろは編み上げにすること。
新婦さまには妹さんがいらして、もしかしたら、いつかこちらを…♡
という可能性もあるため、なるべく融通の利く形に。
この時のフィッティンには妹さんも同行していただき、
和気あいあいと、かつ客観的な意見もどんどん出して頂き、
とっても楽しいフィッティングとなりました…♪
（仮縫いの際には、何と花嫁さまの叔母さまも来て下さいました！
お母様とお越し頂くことは大変多いのですが、
叔母さまは記念すべき初のケースでした♡）
ドレスのリメイク、とはいえ、ビスチェはゼロからお作りさせて頂くので、
フルオーダーと同じ手順で進めて参りました。
初回にきちんと採寸させて頂き、こちらで仮布を組ませて頂き、
2回目のお打ち合わせの際にはトワルをご試着頂いております。
レースのブラウスに関しては、生地を３種類ほどまで絞り込み、
最終的には繊細なリバーレースをお選び頂きました。
ドレス地が花柄なので、最初は花柄x花柄で、どう出るかな？
という懸念はありましたが、実際にお肌にのせてみると、
意外と馴染むのです！
やっぱり生地は鏡の前で合わせみて、不思議と溶け込んでいたり、
素敵なサプライズがあるから、オーダーの仕事は何度承っても新鮮な発見があります。
襟ぐりに関しては、ボートネック風、Vネック、あるいはシンプルなUネックで
悩まれましたが、妹さんのご助言もあり、
一番優しげなラウンドネックに決まりました！
ビスチェスタイルでそのままご着用頂くことも可能ですが、
上品な花嫁さまは肌の露出を控えた長袖を。
襟ぐりにはスカラ部分を手まつりしています。
カマーベルトなしだと、ブラウスの裾のスカラが可愛らしい雰囲気。
こちらはベルトをプラスした完成形です。
せっかくですので、花嫁さんご着用のフィッティングのお写真も少しだけ…♡
このままのお写真でも、
花嫁さまの上品な出で立ちが充分伝わるかと思うのですが、
当日はさらに素敵な雰囲気でご着用頂きました！
華奢な新婦さまに、長身のご新郎さま…
とっても絵になっていて素敵です…♡
純和風の披露宴会場に、クラシカルで
少しヴィンテージ風のドレスが溶け込んでいます。
そして実はこちらのロングベールと、ティアラ…！
なんとこちらもお母様所有のものなのです！
仮縫いの際にご持参いただき、わたしのテンションも一気に上がる程、
素敵なコレクションに驚きました。
お母様が結婚式で着用されたもの、というだけで、絶対に勝れない何かがあります。
想い出と幸せの詰まったアイテム、something old, something borrow,
どちらも満たしていて、母娘の絆を感じるセレクトでした。
別の角度からもう一枚！格調高い雰囲気の、ケーキ入刀！
ティアラって可愛らしいイメージをお持ちの方も多いと思いますが、
合わせ方次第ではこんなにロイヤル感のあるスタイルになります！
ティアラからボンネへチェンジ。
ティアラのお色味に合わせて、パールをあしらったシルバーのピアスと、
ドレスの生地を使用したボンネをご用意させて頂きました。
ドレス生地を生かしたシンプルなデザインは、神前式にも◎
（色々お手数おかけしてしまいましたが、気に入って頂けて良かったです…！）
当日のお母様の反応がとっても気になるところでしたが、
後日花嫁さまからのメールには
『（…）ドレス、
フィッティングの時点で、
「さすがオーダー」
リングピローも、ボンネも、ピアスも、
ほんとに思い出深い、
色々ワガママを叶えていただき、ほんとに感謝しております。
というメールを頂き、大変安心した次第でございます。
こちらにはご紹介しきれておりませんが、
両家花束贈呈の際のお写真も送って下さり、
花束を抱え、溢れんばかりの笑顔のお母様が映っておりました。
何よりものお写真です！
大事な大事な１着に鋏を入れる瞬間はとても緊張しますが、
ご両家の大切な門出のお手伝いをこのような形でお手伝いさせて頂き
誠に光栄に思うのと同時に、大変想い出深い１着となりました。
ご遠方での結婚式だったことや、ご新郎様の出張など、
ご新婦様の準備期間は大変だったかと思います。
そんな中、何度も足を運んで頂き、密にメールでののやりとりも重ね、
本当にありがとうございました。
妹さま方、叔母さまと一緒に来て頂いたのも、アトリエが一気に華やぎ
とっても楽しい製作期間でした。
改めて、おめでとうございました！
どうぞ末永くお幸せにお過ごし下さい…♡
Carlier Coutre
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